[レポート] 柔軟性と低価格化を実現!Lookerを搭載した独自の顧客データ管理ソリューションの開発録 #Looker #BEACONJapan
この記事は、2021年6月22~23日開催の Looker BEACON 2021: Japan のオンラインセッション『柔軟性と低価格化を実現!Lookerを搭載した独自の顧客データ管理ソリューションの開発録』のセッションレポートです。
セッション概要
企業のデジタルマーケティング課題をソリューションとデータで解決するデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)は、この度LINEをはじめとしたデジタルプラットフォームの顧客データ管理・分析を支援する新サービスの開発に際し、Lookerを採用することで今まで以上にスピーディ且つフレキシブルなサービス開発を実現しました。本セッションでは、DACが開発・提供開始した新たな顧客データ管理ソリューションについて、デモンストレーションに加え開発経緯やLookerの採用理由等を踏まえながらご紹介させて頂きます。
登壇者
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
プラットフォームストラテジー本部
プラットフォーム戦略室 室長
園田 友輝
デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社
プロダクト開発本部 副本部長
河原 亮介
会社紹介
- インターネット広告業界のメディア仕入・販売を担う企業として1996年に創業
- 博報堂DYグループの一員として、デジタルを軸とした広告・マーケビジネスを国内外で展開
デジタルプラットフォームの顧客データ管理・分析ソリューション
Lookerで実現した顧客データ統合管理・分析ソリューションの概要と実演
- 昨今のデジタルマーケティングにおいて重要な要点・活用課題
- デジタルマーケティングを設計する上でプラットフォームメディアとユーザーのデータは切り離せない
- 企業はプラットフォームメディアをコミュニケーションのチャネルとして活用せざるを得ない
- ユーザーデータは新たなユーザー識別子をどうやって定義していくかが課題
- プラットフォームメディアを活用したDACのソリューションDialogOne
- LINEをはじめとするプラットフォームのメッセージングサービスをフル活用できるソリューション
- 一方で1チャネルのコミュニケーションの支援では不十分と考えていた
- LINEプラットフォームのデータの特性
- 設計次第でLINEのAPIを通じてデータを獲得できる
- アカウントフォロー、ダイアログデータ、CRMデータなど
- 設計次第でLINEのAPIを通じてデータを獲得できる
- LINEプラットフォームのデータの特性
- ソーシャルログインを活用してデータ連携の同意取得を管理
- 企業にとっては安全にデータを活用できる
- Cookieに変わるユーザーIDとして有用性が高い
- ソーシャルログインを活用してデータ連携の同意取得を管理
- プラットフォームIDを軸とした顧客管理・分析基盤の構築へ
- 初期投資の壁が高い
- CDPの構築が不要なデジタルプラットフォームのユーザーIDを軸とした顧客管理基盤を構築してみようと至った
- プラットフォームIDを軸とした顧客管理・分析基盤の構築へ
- 分析画面の部分にLookerを活用した
- OEM的にLookerを埋め込んだ
- プラットフォームIDを軸とした顧客管理・分析基盤の構築へ
- DialogOneで収集したデータを統合管理する機能としてDialogOne Insightをリリース
- アカウントのフォロワーの膨大なデータを分析できるようにした
- DialogOne Insightの実際の画面
- 分析画面はLookerの画面そのまま
- 操作性もシンプルに提供
- インターフェースを提供することで、ユーザーの条件抽出などの分析がしやすくなっている
- DialogOne Insightの実際の画面
- Lookerをダッシュボードとして組み込んだだけでなく、Exploreの画面も利用できる
- 深堀分析に利用できる
- Lookerの専門知識を持たないユーザーであっても使いやすい画面になっている
- Lookerをダッシュボードとして組み込んだだけでなく、Exploreの画面も利用できる
- Looker活用によるビジネスサイドのメリット
- 自社開発と既製品の利用を両立していいとこどりができた
- 開発スピードの向上
- 高いクオリティを低価格でユーザーに提供
- 自社開発ならではの柔軟性を維持
- 自社開発と既製品の利用を両立していいとこどりができた
開発者が語るLookerの採用理由と開発録
- プロジェクトのタイムライン
- 2020年4月頃からDialog Insightの検討を開始
- 初めはGoogle Data Portalを使ってダッシュボードの構築などを行っていた
- 2020年10月から12月にLookerのPoC契約
- 2021年1月から正式に契約
- 2021年1月から3月の短い期間で開発
- 顧客管理基盤の機能要件
- 簡単に言うと、データを入れて様々な分析ができ、その結果を利用できる
- 分析・可視化
- ダッシュボードの作成や定期的なKPIのモニタリングができる
- ドリルダウンやクロス集計など詳細な分析ができる
- データ活用
- 分析結果のダウンロード
- MAツールなど外部プラットフォームへの連携
- 検証フェーズ(PoC)でLookerを採用した理由
- Lookerの機能を活用することでプロダクトの開発スピードの向上、効率化が期待できる
- 大きな要因としては組み込み可能という点
- Lookerの画面をそのまま利用することで大きく効率化できる
- ダウンロードなどのデータ利用の観点でも開発の効率化ができる
- 検証フェーズ(PoC)での主な検証ポイント
- 開発効率化
- 工数・データの前処理がどの程度必要になるのか・学習コスト
- 分析画面への埋込(エンベット)
- 権限やアクセス範囲の制限・運用工数
- ユーザーの利用障壁
- 非エンジニアでも使いこなせるか
- 開発効率化
- 導入に至ったポイント
- 開発効率化
- ログレベルのデータであっても分析画面やダッシュボードの構築が可能
- ある程度のスキルがあればLookMLの学習コストは高くない
- GitHubでリポジトリ管理できる
- 分析画面への埋込(エンベット)
- ドキュメントやサンプルがあるため簡単に実装可能
- 意図したとおりの権限管理やデータ閲覧範囲の制御が可能
- 運用コストの懸念点もなし
- ユーザーの利用障壁
- 開発業務の経験がないユーザーでもダッシュボードの整備は可能
- 活用の拡大についてはまだ課題がある
- 開発効率化
- 現時点でのシステム構成
- 図の中央のグレーの部分がDialogOne Insight
- DialogOneのログデータはTREASURE DATA、一部の集計データはBigQueryに格納されている
- Google Cloud StorageやCloud Dataflowを使ってBigQueryにインポート
- Dialog Insightの画面をGKE上に構築し、LookerのSSO Embeddingの機能を利用してダッシュボードを表示
- 今後やりたいこと・課題について
- LookerからDialogOneへのシームレスな連携
- パフォーマンスのモニタリング
- 社内メンバーやビジネスユーザー向けのLooker活用の拡大
まとめ
- 加速化する市場環境変化への対応
- マーケティングの手法や生活者のニーズが多様化している
- 必要な機能・サービスを自分たちで開発し続けることは限界がある
- マーケットのニーズにスピーディに対応してく
- 柔軟性、自由度が求められる場面では自社開発を進めていく
- スピードや専門性が求められる場面ではパートナーシップを活かしてサービスを作っていく
- 自社開発とパートナーシップの活用の両軸でサービスを展開していくことが重要
さいごに
自社開発とLookerを組み合わせてお互いの良い点を引き出したソリューションの開発事例として、参考になるセッションだったのではないでしょうか。Looker BEACON 2021: Japan のオンラインセッションより、『柔軟性と低価格化を実現!Lookerを搭載した独自の顧客データ管理ソリューションの開発録』のレポートをお届けしました。